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廃プラスチック 熱分解油リサイクル始動?

いらっしゃいませ!

6月11日にニュースリリースに

SKC社の廃プラスチック熱分解油化リサイクルについて公表されました。

参考:https://m.jp.ajunews.com/view/20210609164746456

そこで、本日は過去の熱分解油化リサイクルについて、おさらいすると同時に

どのような動きを見せているのか解説していこうと思います。

弊社もいくつかの企業様からご提案を受けております。

もし、本ブログをご覧になった皆様でご興味ございましたら、

ご連絡をいただければ幸いです。

それでは、いってみましょう!

 

産業系廃プラスチック油化の現状と課題

少し古いデータとはなりますが、

過去にも廃プラスチック類の油化リサイクルについて

議論が膨らんでいる時期もありました・・・

現代でも一部実用化されていますが、日本全国に広がっていないというのが

実情だと思います。まずは、どのような経緯があったかおさらいしていきます。

【油化リサイクルの経緯】

一般系廃プラスチックのリサイクルは、容器包装リサイクル法のもと回収ルート等の整備が

行われてきました。家庭ごみのプラスチックを油化リサイクルして、

再びプラスチック製品にリサイクルされる

「フィードストックリサイクル」が話題となっていました。

また、産業系廃プラスチックについて、焼却炉のダイオキシン規制が制定され、

更に炭素税や炭酸ガスの有料化、産業廃棄物税など、環境問題に関する様々な法規制が

検討され始めていることから、

焼却や埋立を止め小規模の油化装置を検討する企業が増加してきた。

これに伴い、産業廃棄物プラスチックの油化装置メーカーも増加してきたが、

技術的に未熟な点が多く、油化装置は設置したものの、稼動しないケースもあり、

多くの不満の声が聞かれ、油化に対する不信感が生まれ世論を困惑させていました。

しかし、根底の問題は技術よりも経済合理性だ。

多種類廃プラスチックを油化する技術は確立されていたが、

工場などに設置可能な小型油化装置については、

多種類廃プラスチックを油化するには、

処理費用が高くつき経済性の問題で実用化が困難であるとされています。

さらには、時代の変化および廃プラスチックの分類が困難になったため、

油化リサイクルが困難と言われています。

例えば、食品の長期保存を図るため、ガスバリアー性のあるPET、ナイロン、

アルミ蒸着などをラミネートした複合材プラスチック包装材が増加した結果、

過去の油化装置技術では対応しきれなくなった経緯もあります。

 

熱分解技術が油化リサイクル成功のカギ?

今回SKCが発表した技術は「熱分解」がキーワードになりそうです。

しかし、熱分解油化リサイクルについて技術は初期段階であるため、

これからの技術発展が必要になる。

ヒントとしてはケミカルリサイクルが挙げられると思います。

ケミカルリサイクルも熱分解を主流としており、

アールプラスジャパン社の動きと似ている。

(https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2020/07/2020-0701-1112-16.html)

ただし、ケミカルリサイクルもやはりコストは高いため、マテリアルリサイクルとの共存が

必要になってくると予想されます。(ケミカル3:マテリアル7の割合くらいでしょうか)

いずれにせよ、まだまだ課題が多い中ではありそうですね。

 

しかし、私はこの技術はサステナブルに非常に特化していると考えています。

理由としては、産業廃棄物や一般廃棄物はどの場所にも存在しうるからです。

つまり、極論は各家庭に1台、現状現実的なのは各商業施設に設置する・・・など、

しかし、ここにも課題はあると思います。

それは、国民や企業が地球環境に対する意識を少しでも予算に組み込み、

コストUPを踏まえても、活動できる考えが生まれることです。

少し話がずれますが、

日本の物価が安いことによって日本の国力が下がっているという考えがあります。

安かろう悪かろうの考えでは、本業界に限らず日本全体を弱体化させてしまう

要因にもなり得ます。だからといって、既存の考え方を180度転換させるのは

難しいと思います。ただし、その考えを知っているか知らないかでは選択肢が増えてきて、

可能性が広がります。少しずつ、そして未来に向けて「知る」ということを

皆さんの活動に加えてみてください!!

 

最後に冒頭記載しております、

各企業様から、いくつか油化装置や油化リサイクルの手法等のご提案をいただいております。

もしご興味ある方がいらっしゃれば、ぜひお打ち合わせをさせてください!!

それでは、いってらっしゃい!

 

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