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日本プラスチックリサイクルの課題

久しぶりの投稿です!!

「最近ブログ書いていないね」ととある方に、ご指摘を受けてしまったので、
急いで書いていますww

今回は、少し基本的なことに戻って現在の日本のリサイクルの課題について、
お伝えしていこうと思っています。

弊社といたしましては、国内、国外共にお問い合わせをいただくことが多くなっています。
有難いことではありますが、やはり、相場感や製品の売れ行き、昨今の円安等、様々な要因があり、
もちろん簡単な仕事ではありません。
私、個人の能力ももちろんなのですが、もっと細かく対応できるように日々精進していきます。

世界経済や為替などもっとマクロの目線で全体を把握し、
プラスチックリサイクル等にどのように影響するか予測していくということも、
今後はやっていきたいですね。

「動画作れば?」という声も上がってくるかもしれませんが、
もしそのような脚本や動画制作(最近ではAIかな?)で協力できる方がいれば、
やってみたいというのもありますねw

さて、本題について書いていきましょう!!

ここ10年の間にリサイクルに対する国際的な比較が進んできており、
各国でのリサイクルに対する意識の違いが浮き彫りになりました。

例えば、日本はリサイクルに熱回収を含める考え方の修正を迫られたり・・・
温室効果ガスの排出削減も見据えた政策転換が始まり、ビジネスの慣行を変える動きもあります。

マテリアルリサイクルの分別とその技術

良く思い返すと、昨今は技術進歩のスピードが上がっていますね。
これまでは、受け入れ側(処理側)の技術力に支えられていることが多く、
言い方を変えると処理側の技術や機械(設備投資)に助けられていました。

例えば排出業者は塩化ビニルなど塩素分を分別除去すれば、
比較的安価に熱回収をすることができました。

そのため、マテリアルリサイクル向けに手間をかけてプラスチックを分別しようという
動きが弱かったように感じています。
※なんでもかんでも熱回収にしたほうが、採算が合っていたということでしょう。
これは経済合理性においては妥当とも思います。

熱回収のは定量的な定義も難しく、熱回収率が低くてもサーマルリサイクルとして
カウントされていたので、排出業者としては安価かつ熱回収は良い方法であったとも
考えられます。

もちろんマテリアルリサイクルされるプラスチックもありますが、
大きくは、単一樹脂のプラスチックがほとんどで、
複数樹脂の選別は容器包装リサイクルの処理施設がメインでしたね。

まず一つ目の課題は、排出業者、中間処理業者など分別&リサイクル技術をどのように
複合(融合)させていくかが挙げられます。

つまり、「分別」というキーワードをもとに、
業者間のシナジー効果を持たせることは大きなビジネスチャンスにもなり得ます。

 

 

リサイクル素材の市場活性化を急ぐ

このことは、私としても急ぎ対応していきたい案件ですね。

語弊を恐れず言いますと・・・

バージン(新品)<リサイクル素材(再生)

上記の流れにするということです。
過去の価値観から逆転させるといういい方でも良いかもしれません。

先ほどの課題にも関係しますが、
今後はリサイクルされた素材を原料として使用していく市場需要が必須と
私は考えています。

リサイクル素材の評価がもっと上がれば、バージンより価値を出せる・・・
しかし、国内メーカーの品質担保のためにはリサイクル素材では弱い部分もあるのは事実、
かつ、リサイクル素材を使用した際の企業および消費者のメリットが低いことにより、
活用が進まなかった経緯もあります。

日本はオーバースペックという考え方もありますが、品質の高さは日本のキモになるので、
日本としての強みを活かすために、両輪で考えていかなければならないでしょう。

ところが、EUでは自動車プラスチックの25%を再生材にすることを義務化しました。
期限は2030年ですが、各企業の動きが加速しており、
日本にもEUの認定材料を求める動きがあります。(ISCCやGRSなど)

EUは環境に対する意識が高く、欧州各国との連携により、
日本国内でも規制的手法の導入を検討すべきであるといわれています。

国が動く前に日本国内に、バージン<リサイクルの市場(品質担保含め)を
立ち上げていきたいという考えを持つ企業も多いのではないでしょうか。

 

適正な処理には相応に費用が発生する

最後に現状のリサイクル処理についての課題をお伝えします。

新年度から約1か月がたちますが、
物価上昇問題、円安株高、賃金問題など動きが活発です。

賃金については大企業にフォーカスされますが、
中小企業の賃金上昇を実現が足踏みしています。

賃金上昇には単純に売上および利益確保することが大前提になりますが、
インフラや資材、さらには各所工場などの設備劣化による整備費用など、
賃金上昇が困難である状況であることは言うまでもなさそうです。

産廃処理業者や中間処理業者を考えると、処理料金の値上げを実施せざる得ない。

余りに低すぎる処理金ではそれだけの設備やヒトの質を確保することは難しい。
最近でも不当投棄が発生していることはこの問題も起因しているはずです。

もちろん適正処理するための費用を誰が負担するかという問題になる。
リサイクルの質を上げていくことによる相応の負担を、
企業や国全体で行う覚悟も必要になることは予想ができそうです。

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