プラスチックの原料として「石油」を消費し、
焼却処分をすると二酸化炭素が排出され地球温暖化を助長してしまうという点。
そして、廃棄されたプラスチックが
海洋マイクロプラスチックになって環境を汚染しているという点だ。
SDGsの取り組みへの注目も相まって、
最近「脱プラスチック」に向けたさまざまな取り組みが進められているのは、
私の過去記事でもご紹介させていただいております。
しかし、「脱プラスチック」=「ゼロプラスチック」として考えてしまうのは、
誤解を与えてしまうことになると感じいています。
脱プラの取り組みは、消費者のライフスタイル、企業活動にも影響を与えるものとなります。
例えば、日本では2020年6月に、プラスチックの過剰消費の抑制や、
環境問題への意識付けを目的に、
スーパーやコンビニなどで使われるレジ袋(買い物袋)の有料化が始まりました。
調査では、現時点でレジ袋等の買取を7割以上の消費者が拒否していることから
環境に対する意識づけに一定の効果があったと考えられます。
(日本人特有かもしれませんが、
レジ袋にお金を払うのは「もったいない」という精神が働いているとも考えられます)
このように、消費者がそれほど無理なくライフスタイルを変更できるものもあったことに
気づいた時から、「プラスチックを使わない生活が正しい」と誤解を与える
きっかけにもなってしまった可能性があったのです。
しかし一方で、例えば医療現場のように、衛生面において
プラスチックなしではもはや成り立たない可能性が高い現場も存在することも事実です。
もっと言ってしまうと、ほとんどの人が持っているスマートフォン。
冷蔵庫や電子レンジなどの生活必需品とも言える家電製品なども、
ほぼプラスチックでできています。
そこで、各企業の活動に「プラスチック代替品」というワードが浮上しました。
現状では机上の議論としては、代わりの素材を使用するという話もありえますと思いますが、
コストの議論になると用途によって、
許容できる範囲を明確にしないと間違った「脱プラ」に進んでしまうのではないでしょうか?
個人的には下記の内容が現状必要ではないかと考えています。
「プラスチックを他の素材に置き換えるときに、(コスト度外視)
機能やサービスを同等に保つことが前提とされているのはないでしょうか。
例えば、食品容器を紙製品に変えても、プラスチックほどの強度はなく
コストを上げたとしても、製品の品質保持は難しい。
消費者が既にプラスチック容器の利便性を知ってしまっているためです。
つまり、脱プラスチックとは
『機能、品質として劣るが、過去の生活と今とで違う生活スタイルを許容できるか』
一つの考え方として、品質に対して、オーバースペックという言葉があります。
つまり、そこまでの品質を消費者は求めていない(気づいていない)可能性があるため、
アプローチの方法なども今後大きく、変化していくことが考えられます。
※今までの企業活動を否定している訳ではありません。
中には、脱プラの究極の目標として「ゼロ」を目指すべきだと指摘が入るかもしれませんが、
社会的コストや経済実情、
そしてSDGSの観点を踏まえると、少しずつ変化をさせていかないと、
取り残される可能性のある方が出てきて、
今度は環境は良くなったが、人の豊かさが失わるというジレンマに陥る。
次回のPART2では、プラスチックの誤解と課題」について、
更に深堀して考えていきたいと思います。
それでは、いってらっしゃい!