脱炭素問題の背景(簡易)
中小企業にとってなぜ脱炭素が重要?
中小企業に脱炭素問題が重要視されている理由は下記にあると考えています。
今までは、企業の義務として求められていたのは、CSR(社会的責任)の中でも、
自社に向けられた責任を果たすことに注力されていました。
つまり、脱炭素の面でいうと
自社が直接排出した温室効果ガスの量や削減目標に注力していたということです。
しかし、昨今の動きとしてはサプライチェーン全体における
データ開示と削減が求められています。
自動車会社を例に挙げるとわかりやすいかもしれません。
自動車メーカーは各社から部品を調達していますよね?
つまり、取引先の部品メーカーが部品を作る工程で発生した温室効果ガスについても
開示や削減が求められることになるということです。
そうするとどうなるか??
もちろん大手企業は、各社部品メーカー等、関連している企業に対して、
温室効果ガスの削減や管理を求めてくることになることは想像できます。
それらができない場合は、大手企業のサプライチェーンから外されてしまう
可能性があるということです。
海外ではもちろん、日本国内でもそのような動きが着実に進んでいると思います。
中小企業も脱炭素に対する考えを転換していかなければならないということです。
一つチャンスとなるのは、
中小企業こそスピード対応が可能な組織であることを活かし、
大手より先に脱炭素の仕組みを作り上げることで、
大手サプライチェーンの中でも優位に立つ可能性はあります。
また、脱炭素組織を作り上げた成功事例として業界の中でも
良いポジショニングを取ることも可能性として考えられますね。
上場企業(プライム市場)においては、
サプライチェーンの温室効果ガス削減の開示推奨が求められています。
上場企業からしても、ESG投資踏まえた投資家への対策も必要であるため、
サプライチェーンの管理を進めているでしょう。
詳しくは説明しませんが、
排出量について、「GHGプロトコル」というグローバル基準があります。
自社以外のところでも、温室効果ガス排出が発生しており、
最近ではSCOPE3の部分が注目されているようです。
■GHGプロトコルの考え方 ※環境省、みずほ情報総研資料より
現在ではAIなど様々なシステムを使用することで、製品のライフサイクルアセスメントにおける
排出量を計算することで、「見える化」が可能となっています。
中小企業においてシステム導入までは出来なくとも、
自社やサプライチェーンにおける温室効果ガス排出について、
どの部分で発生しているのかという洗い出しを実施していき、
まずは簡易的にも各所発生場所における排出量計算していくことが重要でしょう。