2022年廃プラ動向をまとめました
こんにちは!!
今回の記事では、2021年の廃プラ関連のまとめと2022年の展望について記載していきます。
廃プラスチックや容器包装リサイクル、、、コロナ禍の影響はありましたが、
2021年は積極的な事業展開や動きであったと感じています。
バーゼル法改正の輸出規制から始まり、プラスチック資源循環法の公布から、
リサイクルの促進が始まっているといえます。
今回の記事では、いくつかの情報をピックアップしてまとめていきたいと思います。
プラスチックの輸出形態変化
ご存知の通り、バーゼル法の改正により2021年は輸出形態が大きく変化した年となった。
経産省、環境省連名にてバーゼル法該非反版基準にて、名古屋税関の管轄で
輸出規制対象となったプラスチックに対し厳重注意などが発生したこともありました。
プラスチック屑については原油、樹脂の高騰の影響にて海外からの需要も堅調であったが、
やはり輸出規制による輸出重量は約3~4割の減少となっていたと思う。
しかし、プラスチックの中でも、PSインゴット、PVCは底堅く輸出されていたといえますし、
今後もインゴットやPVCは安定的に動いていくのではないかと予測しています。
また、バーゼル法改正に抵触しないペレット加工をする事業者が多く増えており、
今までのプラスチック屑をペレットに加工した上で、国内外に振り分けをしている状況。
特にPETボトル関連については、海外にペレットを輸出するにも、
単価の差異が大きく発生しているとみて間違いはなさそうでした。
加えて、大きな影響を与えたのは、海上輸送費の高騰です。
コンテナ不足に加えて運賃が急騰し、最悪の事態になっている状況です。
一つの例としては、中国→アメリカの40フィートコンテはの海上運賃は2000ドル程度であったのが、
12月末時点では10000ドルと約5倍に跳ね上がっている。
繊維等の輸出はマレーシアやインドネシアが多く600ドル前後であったものの、
現在では1800ドルと急騰している。
販売価格への大きな影響もあるが、
何より毎月のように変動する海上運賃に振り回されている状況です。
仮に船の手配ができたとしても、直前のキャンセルなどの発生により、
輸出国に対して荷物が安定的に届かないという事態にも・・・
各国が安定した供給量を求めていることは事実だが、
今後も、輸送費等の樹脂とは別の要因が働き輸出については厳しい状況であるといえそうです。
プラスチック資源循環法の公布
バーゼル法で輸出規制を強化する一方で国内資源循環における施策が
プラスチック資源循環法となる。今年の4月1日に施行される予定だ。
簡単ではありますが、プラスチック資源循環法について下記にまとめてみます。
①プラスチック廃棄物の排出抑制、再資源化に関する環境配慮の設計
②ワンウェイプラスチックの製造から使用までの合理化
➂プラスチック廃棄物の分別回収、自主回収、再資源化に関する方針策定
特に③の部分は、市町村も含めて大きな影響を与えることになりそうです。
容器包装リサイクル法ルートを活用する再商品化を可能とするとしていることが要因です。
その他にも、排出事業者による再資源化に取り組むべき判断基準を策定したり、
排出事業者の委託を受けた再資源化事業者が再資源化計画を作成することで、
廃棄物処理法の行許可を不要とするなった。(計画作成後、主務大臣の許可は必要)
これらにより、再資源化事業者によるプラスチック屑の争奪戦も始まってくるでしょう。
今年はさらにリサイクルの手法が増える
先ほどのプラスチック資源循環法が施行されると、
リサイクルや熱回収(RPF等含む)の取組が進んでいくことが考えられます。
もう少しかみ砕くと、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの住み分けを
明確にしていくことが必要となるのではないかと考えています。
日本国内だけで見ると、
サーマルリサイクルがプラスチック資源循環法にフィットするように見える。
まず、バーゼル法改正されたとしても、一定程度の輸出数量は残る、
更に、プラスチック屑をペレット加工する日本国内の動きも含めて、
そのあたりも輸出されていくことが予想できる。
プラスチック資源循環法が国内の資源循環に影響を与えるかにもよるが、
国内循環だけではやはりプラスチック屑をペレット加工した原料を使用する企業が
少ないことも考えられる。
その際に出てくるのが、ケミカルリサイクルの手法となる。
プラスチック屑をケミカルリサイクルすることによる国内循環が求められているが、
ペレット加工業者との軋轢を生む可能性がある。
また、ケミカルリサイクルの手法の一つは単一樹脂をモノマーに戻すため、
この点は単一樹脂のマテリアルリサイクルに共通する部分もある。
ケミカルリサイクルの強みとして、海外輸出できないようなプラスチック屑を
国内循環にシフトすることが挙げられるが、現状のコスト含めた市場環境が
まだ追い付いていないということも考えられる。
マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルそれぞれの手法において、
将来的には事業者を守りつつ住み分けした市場を作り上げていく必要がありそうです。
2022年はまだまだコロナウイルス影響を受ける年になりそうです。
直近では容器包装リサイクルの入札の動きもある中ですが、
その情報はまた別の機会にお伝えしていきます!!
事前情報にご興味がある方がいらっしゃれば、ぜひお問い合わせください!!