PETボトルVSアルミ缶 容器飲料対決 PART2
いらっしゃいませ!
本日は前回に続きまして、PETボトルVSアルミ缶のPART2について
お伝えしていきます。※前回ブログもぜひご覧くださいませ!!
さて、今回はアルミ缶の目線でお伝えしていくのですが、
最近では各企業、飲料容器をPETボトルからアルミ缶に切り替える動きを
見せています。
果たして、アルミ缶に切り替えることで環境に良いものになるのか?
そして、私たち消費者にはどのような影響が出てくるのか。
皆様にも様々な仮説を立てていただき、本記事が役に立つことがあれば幸いです。
それでは、行ってみましょう!!
アルミ缶ボトルの広まり
前回触れているように、
アルミ缶よPETボトルの水平リサイクル率には差が出ているため、
PETボトルの飲料メーカー等は水平リサイクル率向上に向けて活動している。
しかし、現状のPETボトル原料の相場を見てみると、
水平リサイクルの原料として高価に集められてしまい、
繊維やシート関連に原料がいきわたらない状況にもなっている。
そこで、原料が足りない分バージンの購入などに動く業種も出てくることだろう。
となると、バージンを製造する際の環境コスト等考えていかなければならないでしょう。
そのような状況も踏まえたためか、アルミ缶へシフトする動きが増えてきているのも事実。
(下記参照:東洋経済新聞)
例えば、無印良品の店舗を見てみると、2021年4月から、
全国約300店舗で扱う飲料容器の大半を
ペットボトルからアルミ製ボトル缶に切り替えたことが記憶に新しいです。
店頭の売り場には
「これからの社会を考えてドリンクのペットボトルをリサイクル率が高く、
循環型資源とされるアルミ缶に切り替えます」
という説明書きを記したポップが大きく掲出されている。
ダイドードリンコでは同年3月以降、
一部の法人顧客のオフィスに設置する自販機のお茶や水、炭酸水、
スポーツドリンクなど6種類の飲料の容器を、
ペットボトルからアルミ製ボトル缶に変更している。
容器の量はPETボトルが多い
アルミ缶へのシフトが発生していても、
現状ではPETボトルのほうが容器出荷量としては多い。
現状ではその差は大きく、
アルミ缶(ボトル缶)の水平リサイクル率の高さは出荷量(母数)が
低いことも影響としてあるでしょう。
PETボトル:約240億本 アルミ缶(ボトル缶):約25億本
水平リサイクル率で換算すると、重量比では大きな差はなさそうだ。
ただ、各企業がアルミ缶へシフトすると同時に、アルミ缶の生産力強化も進んでいる。
現状では、生産量が需要に追い付いていないのが現状ですが、日本国内だけでなく、
東南アジア(タイなど)でもアルミ缶の需要は多く、脱プラの意味合いで追い風と
なっているともいえます。
消費者の動向が変わってきているということも考えられるが、
消費者からすると、アルミ缶とPETボトルの違いについて考えたうえで購買に至っている
かと言われれば、少し疑問が残る。
(消費者は便利なものを求め、現時点では環境配慮というよりも、
価格で判断をする傾向がありそう)
この後述べる、アルミ缶の課題について考えていただき、
消費者にも選択肢をもって購買に繋がれば幸いです。
今までアルミ缶が普及しなかった理由は気候変動に?
それでは、アルミ缶の課題は何か?
この記事では2つの課題を紹介します。
①二酸化炭素排出量
製造から廃棄までの二酸化炭素排出量がPETボトルに比べて多いということ。
つまり、2050年までのカーボンニュートラルの達成と逆行する動きであるということだ。
PETボトルとアルミ缶はもちろん材質が異なる。
各原料を溶かすにはもちろん「熱」が必要になる。
おおよそですが、PETボトル200℃に対しアルミ缶は650℃といわれ、
エネルギー使用量が大きい。
ただし、先にも記載した通り、水平リサイクル率や総重量の観点で見ると、
アルミ缶のほうが二酸化炭素排出量はPETボトルよりも少ないともいえる。
今後、PETボトルとアルミ缶が同じ数字の土俵に立った時、
アルミ缶の増加というのは気候変動に大きな影響を与えるといえるのかもしれません。
②製造原価コスト
二つ目は製造コストです。
先にも記載の通り、PETボトル飲料メーカー等は水平リサイクル率の向上に舵を切っている。
仮にアルミ缶と水平リサイクル率が同じになった場合、
アルミ缶のほうは二酸化炭素排出量の課題を解決していく必要がある。
二酸化炭素排出量の対策として、自然エネルギー(熱)を活用することが
挙げられるが、例えば太陽光発電等の利用により電力を自然エネルギーに頼った場合、
もちろん製造コストは増加する。
太陽光発電の場合はおおよそ30年程度の使用期間とされるので、
最悪の場合は廃棄処理に繋がり、それもまた環境に影響を及ぼす可能性もある。
製造コストの増加について、現時点では消費者に還元されていること理解しておきたい。
(内容量を減らすなどの実質値上げなど)
もちろん広告やPRの仕方によって、消費者に理解を求めることは必要となります。
消費者の動向が変わっていることも事実ですが、
ある意味「環境のためにコストがかかります」と説明するには、
先の課題に対する裏付けを説明することも必要になるのではないかでしょうか。。
いかがでしたでしょうか。
今回はアルミ缶についてメインで扱ってきましたが、
PETボトルとアルミ缶・・・皆さんはどちらを選択していきますか?
もちろん本ブログ以外にも、各原料のメリットはあります。
前回、今回は飲料利用目的に焦点を当てていますが、その中だけにはとどまらないでしょう。
消費者にも企業に対しても、「それぞれ選択肢があり、全員が何かを選んでいく」。
このことの繰り返しの中で、環境、社会、経済により良い選択をもたらしていきたいですね!
それでは、いってらっしゃい!!