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バイオプラスチックの現状と課題

いらっしゃいませ!

本日は、レジ袋等にも使用されているバイオプラスチックについて、

ご紹介いたします。

バイオプラスチック、生分解性プラスチック、バイオマスプラスチック・・・

どこが違うのか?

ものすごい、環境にやさしそうだけど何故切り替えが進まないのか?

実は、バイオプラスチックは言葉で誤解を与えている可能性がある。

などなど。

まとめて、見ていきましょう!

(本記事は生分解性プラスチックの内容をメインでお伝えし上巻と下巻で分けていきます。)

それでは、行ってみましょう!

名前は聞くけど、違いがわからない・・・

ごもっともな質問だと思います。

情報番組などを見ていても、時折どのことについて話しているの?

と、訳が分からなくなっていたこともありました。

一言でまとめると、このように言えるのではないでしょうか。

生分解性プラスチック:

■使用中は通常のプラスチックと同じように使えて、

使用後は微生物の働きによって最終的には水と二酸化炭素に分解され、自然に還るプラスチック

バイオマスプラスチック:

■植物など生物資源で作られるプラスチック

バイオプラスチック:

■生分解性プラスチックと、バイオマスプラスチックの総称

これだけでも、少しすっきりするのではないでしょうか。

それでは、バイオプラスチックについて少し歴史を振り返ってみましょう。

海洋動物の体内で分解されなかった?

バイオプラスチック(生分解性プラスチック)は、

2005年の愛知万博の頃に、知られるようになり、

生分解性プラスチック製の食器や生ごみ回収袋が採用されたのが先駆けとされています。

日本バイオプラスチック協会によりますと、

「一定の条件下で3カ月間で6割以上が分解するものに認証を与えている。」

しかし、多くの国で実用化が進んでいる生分解性プラスチックの大部分は、

野外でに放置しても勝手に自然分解するわけではありません。

産業用の堆肥施設のような微生物が活躍できる条件、

言い換えると温度や湿度、酸素などが適度に揃わった場所で分解します。

この部分を知っておかないと、

「バイオプラスチックが万能である」という誤解を持ってしまうことになります。

ちなみに産業用の堆肥施設では、適正温度に加温したり(60度と言われている)、

適度に土を切り返す度に水分を補給することで、適度な湿度も保つとされています。

実は、自然界にはそのような万能な土地や場所などないため、

自然環境中での速やかな分解は期待できない。

(もしかしたらあるのかもしれないが・・・)

そして川や海に流れ込めば、さらに分解は難しいとされています。

例えば、2019年3月にフィリピンの海岸に漂着したクジラの死骸から

大量のプラスチック袋が見つかりました。

その中には「生分解性」と書かれたレジ袋も見つかったが、

クジラの体内では分解しなかったようだ。

つまり、長い時間をかければ分解する可能性はあるが、

即効性に劣ってしまっているのが現状であり、

分解される前に生物の体内に入ってしまったら、

適正環境を整えることは難しいと言えると思います。

家庭内で分解できる生分解性プラスチックはある?

結論から申し上げますと、時間をかければ可能というところでしょう。

例えば、家庭用の生ごみ処理器では、産業用の施設の半分の温度にもならず、

微生物が十分に活躍できない環境のため分解はできない。

しかし、少し調べてみるとベルギーなどでは「家庭用コンポスト可能」と表示されたレジ袋が

スーパーで使われているそうです。

28℃程度にしかならない家庭用生ごみ処理器に入れても、1年以内に90%以上は分解するそうだ。

最近では、家庭の生ごみ処理器でも分解する生分解性樹脂をコーティングした紙コップが、

日本の化学メーカーも関与して作られています。

家庭用生ごみ処理機であっても、

時間をかければ分解する生分解性プラスチックがあるということは分かったが、

やはり分解まで1年間も待っていられないというのが正直なところだろう。

ただ、技術の発展や各国民の意識づけを変えていくことができれば、

「自律分散型」(と、私は勝手に名付けています)の社会を作ることもできますし、

バイオプラスチックの活躍する場も多くなってくる可能性はありますね。

今後、どのように展開されていくのか楽しみです!

次回予告!

いかがでしたでしょうか。

バイオプラスチックの基本と生分解性プラスチックについて、記載していきました。

次回ももう少し詳しくバイオプラスチックをお伝えしていこうと思います。

今回、

「生分解性プラスチックは環境にやさしいがまだ実用化するには難しいのかもしれない・・・」

というイメージを持たれたのではないでしょうか。

実は、技術的問題だけでなく定義の問題や

そもそも既存のプラスチック業界にも大きな影響を与えかねないなどの、

トレードオフが発生する可能性があります。

常にSDGsの観点からを持った考えも取り入れていき、考えていきましょう!

(そろそろブログでSDGs基礎編の続きをやらないと・・・)

それでは、いってらっしゃい!

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