新商品や新サービスの企画を考える上で、
とても参考になる大ヒット商品の事例があります。
今日は、その中から
2010年に発売されて大ヒットした
携帯用電動歯ブラシの事例をご紹介したいと思います。
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400万本売れた「ポケットドルツ」
今回取り上げるのは、
パナソニックが開発した
携帯用電動歯ブラシ「ポケットドルツ」です。
この商品は、
累計400万本を販売した
超ヒット商品として知られています。
しかし、発売当時の電動歯ブラシ市場は、
決して好調ではありませんでした。
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性能競争では売れなくなっていた市場
当時の電動歯ブラシ市場では、
各メーカーが振動数の多さや
歯垢除去率の高さなど、
性能面での競争を繰り広げていました。
ただし、
高性能・高品質な商品を出しても、
必ずしも売れるわけではありません。
消費者から見ると、
性能の違いが分かりにくく、
結果的に横並びの商品に見えてしまっていたのです。
これは、
かつてのテレビ市場と似た現象だと言えます。
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当時のメインユーザーは誰だったのか
当時、電動歯ブラシの主なユーザーは、
中高年の男性でした。
使用場所は自宅が中心で、
主な目的は歯周病予防です。
一方で、
若い女性や若年層は、
ほとんど電動歯ブラシを使っていませんでした。
また、
外出先で使われることも、
ほぼありませんでした。
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着目したのは「使われていない行動」
そこで、
電動歯ブラシの販売数を伸ばすために
注目したのが、
これまで使われていなかったユーザーと行動です。
ターゲットにしたのは、
若い女性。
そして、
ランチ後に歯磨きをするという行動でした。
もし、
ランチ後の歯磨きに
電動歯ブラシを使ってもらえたら、
販売数は大きく伸びると考えたのです。
この「行動」に着目した点が、
非常に重要なポイントでした。
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なぜ手磨きで済ませていたのか
では、
電動歯ブラシの存在を知っているにも関わらず、
なぜ手磨きで済ませていたのでしょうか。
そこには、
「大きい」「音が大きい」といった
機能的な問題だけではなく、
もっと根深い理由がありました。
それは、
心理的な抵抗感です。
・おじさんっぽくて恥ずかしい
・歯周病なの?と思われそうで嫌
こうした
イメージや見え方に対する抵抗が、
大きな壁になっていました。
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見え方を変えたことで売れた
そこで、
パナソニックは
商品そのものの見せ方を大きく変えました。
化粧ポーチに入るサイズ感にし、
見た目はマスカラのようなデザインにしたのです。
「電動歯ブラシ」に見えない電動歯ブラシ。
この工夫によって、
女性が外出先で使うことへの
心理的ハードルが一気に下がりました。
この戦略が功を奏し、
ポケットドルツは
400万本という大ヒットに繋がりました。
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この事例から学べる2つのポイント
この事例から学べることは、
大きく分けて2つあります。
1.売るターゲットを変えること
2.商品サービスの見せ方を変えること
この2つは、
既存商品が伸び悩んでいる場合や、
さらに販売数を拡大したい時に、
非常に有効な視点です。
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締めの一文
売れない理由は、商品そのものではなく「誰に、どう見せているか」にあることが多いです。
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