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新興国で廃プラが足りない!?輸入規制に変化?

いらっしゃいませ!!

本日は、新興国での廃プラスチック輸入規制が緩和されている件について、

情報共有します!!

「新興国で廃プラが足りない」

2018年、中国の大規模輸入規制ともない、中国に流れていた廃プラスチックが新興国へ流れ、

新興国にいわゆる「廃プラゴミ(環境に影響の出る)」が次々と送られ、

受入れの新興国では輸入の規制を強化したという経緯が思い返されます。

今回の新興国廃プラ不足が背景に各国でどのような動きになっているか、

そして、日本にどのような影響が出てくるか考えてみたいと思います。

 

弊社につきましても、多くの海外の方からお問合せをいただきます。

国際的に各国が良い方向でパートナーシップを結べれば良いですね。

それでは、いってみましょう!

 

タイ&トルコの輸入規制の動き

上記にも記載の通り、

中国の廃プラ輸入規制に伴い、行き場がなくなった廃プラが新興国へ流れるということで、

各新興国は「ゴミの受入れ国」となることを恐れ、次々と輸入規制を取った経緯があります。

ただし、新興国の資源ごみ回収のシステムは他の諸外国と比べ、仕組みが整っていません。

結果、輸入規制の影響で、自国だけでは再生資源の確保が困難となり、

各リサイクル業者やメーカーは原料不足に陥ってしまっている。

実際に政府による見直しが進められており、

タイ政府は廃プラの全面輸入禁止を5年間延長する方針を固めています。

トルコではPETの輸入禁止を7月に発令したが、1週間で規制を撤回。

ちなみにトルコは重量ベースで世界最大の廃プラ受入れ国になっています。

皆さんは、

マレーシアでは以前、廃プラ輸入について強い措置を取ったことを覚えていますか?

端的に言うと、

「汚い廃プラを積んだコンテナを輸出国へと送り返した」ということもありましたが、

現状では資源不足により輸入規制も軟化させている傾向があるということです。

 

なぜこのような事態になってしまった?

この問いは、意外と単純です。

世界的に環境に対する意識が高まっている中、

各国はリサイクルの目標を高く掲げ、官民両面から活動をしています。

ただし、

新興国内では自国だけで再生資源原料を集めることができる仕組みが整っていないのです。

つまり、新興国国内の再生プラ事業者等は

現状の仕組みでは輸入に頼らざる得ない状況ということです。

仮にこのまま輸入規制強化を実施したとして、考えられるのは

新興国内に進出している先進国企業の撤退、それに伴う雇用減、

最悪の場合、

新興国内での再生資源やゴミ処理施設が無くなる可能性も秘めているように思います。

 

 

新興国の廃プラはリサイクル率が低い

自国でプラスチックリサイクル率が低い理由の代表例をご紹介します。

例えば、韓国やタイのPETボトルをご覧になったことはありますか?

私も何度か訪問した経験があるのですが、

PETボトル容器を見たところ、茶色や青色、緑などのカラーボトルが

とても多く、例えば繊維リサイクルにルートを作ったとしても、

製造できる繊維に限りが出てしまい、リサイクル率を低下させてしまう。

おそらく、各国内での企業イメージや青色のボトルにすることで清涼感を出すなどの

工夫をしているためと思われますが、リサイクルという目線でみれば、

非効率となってしまっているのが現状です。

実際にリサイクル製品の多くの生産は海外で行われております。

もちろん新興国で国内循環ができることは理想ではあるが、

記載の通り資源プラスチックの回収体制が整っていないため、

生産工場では原料が足りない。新興国での需要は高く、生産体制は新興国に偏っているため、

先進国からの再生プラスチック原料を新興国でリサイクルすることで、

国際的に分業されたほうが現状では効率が良いのではないかとも思います。

そうなると、日本国内のバーゼル条約改正部分にも大きく影響されてきます。

現状日本では、バーゼル条約規制軟化について議論は上がっていませんが、

例えば、プレコンシューマー品の汚れのない製品については、規制緩和するなどの

動きが今後出てくるかもしれませんね。

 

いかがでしたでしょうか。

根本的には新興国での回収システムを整えるところに大きなチャンスがありそうです。

もちろん市場の需要供給バランスがあり相場に左右されやすい商材ではありますが、

世界的に見て、優先事項は国内循環ですが、協力できることは国際的にも協力して

友好的な関係を作っていければよいですね。

それでは、いってらっしゃい!

 

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