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2021年1月 バーゼル条約改正が決議

いらっしゃいませ!

本日は、バーゼル条約の改正伴う最新情報をお伝えいたします。

(環境省のレポートを参照しております)

来る202111日に発効されるバーゼル条約改正附属書に対応すべく、

環境省はバーゼル法における該非判断基準を策定するため、

有識者を交えてこれまで2回の検討会を実施しました。

その後パブリックコメントも取り入れた上で、

先日101日、同省のHPにて

「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準」を公表しました。

今回最終版として公表された基準の概要をお伝えいたします。

それでは、いってみましょう。

該非判断基準

規制対象外とは

非有害かつ特別の考慮が必要ないプラスチック=問題なく輸出出来るもの

  1.  複数のプラスチック樹脂の混合がないものの該非判断基準
     原則として下記のA〜Dの全ての条件を満たすもの

     A:飲食物、泥、油等の汚れが付着していないこと
     B:プラスチック以外の異物が混入していないこと
     C:単一のプラスチック樹脂で構成されていること
     D:リサイクル材料として加工・調整されていること

    1. の具体例
     ① 
    ペレット状のプラスチック
     ② 
    フレーク状またはフラフ状、
    ほとんど無色透明又は単一色※のプラスチック

※選別の過程で他のプラスチック樹脂等との多少の混合は避けがたく、

また混合していても環境上適正な方法でリサイクルすることは可能であるため、

選別工程を経た上でほとんど無色透明又は単一色であれば、規制対象外。

製品の製造工程から排出されるフレーク状又はフラフ状のプラスチックであれば、

ミックスカラーであっても規制対象外。

  ③ 製品製造工程から排出されるシート状、ロール状、又はベール状※のプラスチック

※ベール状のプラスチックは、内容物が均質な軟質プラスチック

(製品の梱包等に使用されたフィルム、シート等)であり、

かつ輸送の過程でプラスチックに汚れがつかないように、外側が透明なフィルム等で

覆われているものに限定

 ④ インゴット状の発泡ポリスチレン     

  1.  複数のプラスチック樹脂(PE,PP,PET)の混合があるものの該非判断基準
     原則として下記のA〜Cの全ての条件を満たすもの

     ※複数のプラスチック樹脂(PE,PP,PET)の混合物とは、PETフレークを指す
     A:分別され、ボトル、キャップ、ラベル以外のプラスチック樹脂や異物を含まないこと

     B:洗浄され、飲料や泥等の汚れが付着していないこと
     C:裁断され、フレーク状になっていること

2. の具体例
 ① 洗浄されたPETフレーク(少量であればラベル・キャップ入りも可能)

  

 《参考・出典:環境省HPより

「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令の一部を改正する省令」の公布及び

「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準」の公表について (令和2年10月1日)》
 

バーゼル条約改正に伴う所感

最終的に公表された内容は、

ほぼ第二回の検討会で提示された案に基づくものとなりました。

しかしながら一部、

日本からマテリアルリサイクルとして輸出される代表的なアイテムである、

軟質フィルムベール品について、

第一回検討会では「ベール状プラスチック全般」を規制対象とされていましたが、

第二回検討会では「ベール状のプラスチック」のうち、製品の製造工程から排出され、

汚れの付着や異物の混入がなく、単一素材であり、

かつ外装に透明なフィルムなどで覆われているものは規制対象外となり、

最終的には使用されたフィルム、シート等であっても、

内容物が均質であり異物汚れのないものであれば規制対象外と決定されました。

本基準は2021年1月1日以降に輸出入が行われるプラスチックに適用されますが、

他国のプラスチックの輸入規制の状況や、

未だ不明瞭なアイテム等、運用を通じて諸々を勘案し、

必要に応じて今後も見直しがなされていきます。

 このバーゼル条約改正のみならず、各国には独自のプラスチック輸入法規制があり、

今後さらにこれらの情報や動向を把握することは必要不可欠となっていきます。

一例として、ベトナムにおいて下記のような新規制が発表されています。

【ベトナム新規制】
 2020.9.24フック首相が、2020.12.31をもって下記2品目の輸入をストップする旨を発信

  ・古紙 その他のもの
  ・粒状スラグ(スラグサンド 鉄鋼製造の際に生ずるものに限る)

2021年以降も安定したリサイクルフローの構築を目指す上で、

いまこそ可視化された透明性の高いリサイクルフローへの見直しが迫られています。

現時点で、

「発生する廃プラスチックは有価物として取り扱われているので問題ない」という

企業様も多いかと思います。

しかしながら、自国や相手国の法制度を理解せずに流通をさせた場合、

素材の流通が突然途絶えることもあり得ます。

こうした問題を回避する上でも、

自社発生素材がどのような経路で、最終製品までたどり着いているかの

バリューチェーンを調査・管理をされることをお勧めいたします。

回収会社の処理能力(設備・排水設備等)、生産されたリサイクルペレットの物性管理レベル、

成形メーカーにおける需要量、

最終製品市場の動向などに至るすべての流通を俯瞰する必要があります。

バーゼル条約改正に伴う影響

上記考察を踏まえ、今後何が起こりうるか予測してみましょう。

1.2020年12月~ バーゼル条約改正に伴い、駆け込み輸出が増加

2.2021年1月~  改定後、日本からの輸出が減少する?

(税関がどこまでコンテナチェック等するかの様子見をするため)

3.2021年3月~ 国内の容器包装リサイクルPETおよびその他プラの落札結果に伴い、

協会外の価格次第では輸出が増加する。

その他にも、海外で起きている工場建設や新規需要の要素がありますので、

状況は変わるでしょうが、とりあえず上記3つの流れは出来てくると思います。

弊社ももちろんですが、輸出時のコンプライアンスに抵触しては事業に影響を与えてしまいます。

皆さんも、情報収集のためにぜひ本ブログをご活用いただけばと思います。

 

それでは、いってらっしゃい!

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