需要供給バランスだけの世界?
この記事を読んでいくつか引っかかりましたので、
そのうち2つを見ていきたいと思います。
①「プラスチック産業は2024年までに、2億3000万トンのエチレン
(最も一般的なプラスチックの化学物質)を生産するというのです。
一方、需要は約1億6000万トンで横ばいになるという予想があります。」
ちょっと考えてみましょう。
①について:
※参考資料:石油化学工業会より
そもそもプラスチックは石油から直接製造されるわけではなく、
「ナフサ」という石油成分中のガソリンと灯油の中間の沸点にある粗製ガソリンで、
熱分解することにより石油化学製品の原料である
エチレンやプロピレンなどからプラスチックができます。
ナフサは石油化学製品の真ん中で、現代社会にいかに貢献してきたかわかります。
ちょっとわかりにくいですね。乱暴に言ってしまうと、
ナフサはガソリンと灯油を造る際に「勝手に作られてしまう」原料なのです。
つまり、
ナフサを使用する時点で灯油やガソリンの副産物として有効利用されているということです。
逆を言えば、灯油とガソリンを精製しなければ、
2024年までに、2億3000万トンのエチレンを造らなくても済むとも言えます。
(灯油やガソリンを使用するのをゼロにすれば、ナフサはなくなりますが・・・現実的?)
需要と供給バランスを整え約1億6000万トンに製造を合わせるとなると、
別の個所でひずみが生まれてくることが考えられます。
ナフサがダブついて処理するにも、コストかかりますし
仮に極端にナフサの下落をすると上記図のほかの産業に影響が出るでしょう。
プラスチック製品を減らすというのは、良いことなのですが、
プラスチックだけを悪とする考え方は、安易であると考えてしまいます。
記事にある5年間で4000億ドルの投資についてなども中身がはっきりしておらず、
数字だけで見ているのかなと印象を受けました。
その他にも、個人的考えはあるのですが、ここまでとします。
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