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9月5日 更新 令和4年下期PET落札情報

本日は、2022年下期の容器包装リサイクルPET入札の動きを予測していこうと思います。

無事に入札も終わりましたね。
各事業者さまは不安と悩みがあるのではないでしょうか。

タイトルの通り弊社ロコモーティブで、2022年下期の入札結果を予想いたしました。
※あくまで、予想です。予想の材料として、いくつかあります。
例えば、過去のデータや現在の市況状況、そして未来の予測。

もちろん【変数】についても考慮していかなければならないので、非常に難しい予想です。

本記事をあくまで「ご参考」としていただき、皆さまの助けになれれば幸いです。
※本記事では、特定の団体や企業、個人名は伏せています。
※入札結果については、別途記事を更新し一覧にまとめ上げる予定です。

まず値上げは間違いない!

昨今のニュースでも、下期における値上げの話が絶えません。
ここでは外的要因の説明は省きますが、簡単に言うとランニングコスト(固定費)が上がっているのです。

電気代や運送代はもちろん、工場を運営している企業様はこの固定費の動きに苦しんでいる。
そして、最近の第7はのコロナウイルス。
行動制限は実施しないと政府は話していますが、インフラに人手不足の影響が出ているのは
ご覧になったことがあるかもしれません。

さて、ここまでは単純に外的要因の影響で全業界に共通するコストアップになるかと思います。
次は、プラスチック(PET)の状況について、掘り下げてみましょう。

全国平均100円以上も視野にいれておく

さて、全国平均が100円以上となると・・・
どのようなことが起こるか、業界内の方であれば想像つくかとは思います。
もちろん過去最高の入札価格になります。

要因の一つとしては、大手同士の戦いというところです。
実は昨年より水面下で始まっていたのです。
過去の落札結果をご覧いただければ、ある程度見えてくると思うのですが、
実は表面上では表されていない、深いところでの戦いも始まっていることでしょう。

こちらに関しては、少し強い言葉を使うとするならば、
PET樹脂業界構造変化が始まっているということが考えられます。
プラスチック問題から始まり、他業界からの新規参入、そして競争激化。
つまり、競争についてくることができない産業が淘汰されてしまう可能性があるということです。

産業構造変化という意味言うと、雇用問題や代替産業がしっかりと基盤を作れれば、
マクロ的には良いかもしれませんが、今まで作り上げてきた産業が一つの入札で壊されてしまう・・・

海外での需要(特に北欧)はリサイクルに関する法律(バージンよりもリサイクル材を使う)と
明確にしていますし、それに伴って国民意識もリサイクル材に変化していることが見受けられますので、
引き続きリサイクル材の需要は伸びてくるでしょう。

ただし、もちろん反動も大きくなると思います。
特に資源の業界では相場の動きが激しいです。
直近ではGDPリフレッション(2期連続マイナス予測)など、話題になっていますが、
アメリカなどのインフレ(金利UP)や世界経済状況より一気に景気後退になる可能性もあります。
その際は過去の原油0ドル並みの市況変化(影響)があるとみています。
原油0ドルになることはないかと思いますが、
変化の大きさ(インパクト)としては考慮しておく必要もあるかと。

今回は2022年下期の予想ということなので、市況変化についてはここまでにしますが、
直近半年で考えると、ここまでの急激な単価UPにおける競争激化は
撤退を余儀なくされる企業も出てくる可能性があります・・・

 

答え合わせは後日に・・・

PETボトルなら何でもよい・・・というわけではないところが、難しいところです。
もちろん品質に見合った製品を作るために必要な原料(PETボトル)は必要です。
上期には、「PETボトルが足りないからとにかく集める」という動きでした。
結果、製品品質に合わないPETボトルを相場感以上の価格で購入してしまい、
全体的な相場も吊り上がってしまったのです。

国内単価が吊り上がることで、海外への輸出等の動きも制限されているでしょう。
さて、いろいろ考えなければならないことがありそうですね。

落札の結果については、別途ご紹介させていただきますが、
現時点での予測をしていきたいと思います。
(毎度のことですが、あくまで予想なので参考程度に・・・)

【全国平均】115~120円 【最高単価】145~160円弱

細かい内容は避けますが、弊社が予測している2022年下期単価となります。

この予想が良い意味で外れてほしいという気持ちもありますが、
弊社の理念は変えず、既存のお客様としっかりパートナーシップを取っていく所存です。

細かい落札結果は容器包装リサイクルPET落札結果が発表され次第、
データをまとめますので、よろしければご参考くださいませ!

8月29日更新 容器包装リサイクルPET落札結果速報値

※8月29日更新

本日、8月29日に容器包装リサイクルPET落札結果の速報値が発表されました。
9月5日に各市事業者、市町村の落札詳細が発表予定なので、
詳細は別途まとめますが、今回の速報値について少し解説をしていきたいと思います。

【参照:令和4年度下期PETボトル落札結果(速報版)】

1. 落札単価(円/トン)(消費税抜)

 

令和4年度 令和3年度 下期前年差異
下期(①) 上期 通期 下期(②) (①-②)
総平均 -115,371 -64,196 -87,211 -42,949 -72,422
 有償分 -117,358 -66,340 -89,352 -45,252 -72,106
 逆有償分 132,035 95,147 107,282 75,697 56,338

2. 落札数量(トン)

令和4年度 令和3年度
下期 構成比 上期 構成比 通期 構成比 下期 構成比
合 計 96,540 100.0% 118,120 100.0% 214,660 100.0% 102,397 100.0%
 有償分 95,771 99.2% 116,552 98.7% 212,323 98.9% 100,447 98.1%
 逆有償分 769 0.8% 1,568 1.3% 2,337 1.1% 1,950 1.9%

弊社予測単価:

【全国平均】115~120円 【最高単価】145~160円弱

■全国平均が115.371円、有償分が117.358円(速報値)

結果的には予想通りの数値にはなりましたが、前期の全国平均64円でも過去最高の単価であったのが、
大幅に更新され、約51円の相場アップとなりました。

バージン価格(原油由来)と比較すると、とてつもない単価になることでしょう。
昨今でもバージン価格の下落が始まっており、PET以外の商材についても相場が落ちてきている中で、
日本国内のみPETの相場がUPしている、海外とは逆の動きになってきていきそうです。

落札結果の詳細を踏まえて、改めて別途解説はしていきたいのですが、
おそらく、事業者ごとに偏った入札価格になっているはずです。
(平均値という数字で発表されているため実際の市場価格と相場がずれてしまう可能性がある)

そこで、今回の落札結果は既存の全国平均値だけで判断すると、
業種・業者によっては全く手が出ない相場感(繊維やシート)になっていくでしょう。
もちろん、再生PETではなくバージンに切り替える業者も増えてくる可能性もあります。

少し見方を変えてみることが必要になるかもしれません。
例えばB2Bメーカーの入札分はあえて外して、落札平均単価を分析したり・・・
全体落札価格の中央値の数字を見ていくことで、見え方も変わってくるのではないでしょうか。

ここで、懸念点を一つ。
今年の上期は全国平均64円という数字が発表され各事業者にて値上げ交渉など動きが活発になりました。
2022年8月時点ではありますが、容器包装リサイクルPET品質で64円のPETベールがあれば、
単価が高いと判断する業者は少ないのではないでしょうか。(それだけ絶対量が少なく偏りがある)
現在では事業系ベールの単価も大きく変わってきていることは、皆様ご存知かもしれません。

要は、令和4年下期の全国平均115円という数字は出発点であって、
その後も価格UP(特に事業系)が頻発になるのではないかということです。
そのあたりのことも踏まえて、10月以降の設定をしなければならない気がします。
これ以上事業系ベール等も上がると、撤退せざるを得ない業者も出てくるかもしれません。
そのあたりはリサイクル業界として由々しき事態と考えます。

いずれにせよ、日本ではPET価格は過去最高の推移となることが予想され、
逆に誰も経験していない相場感になる可能性があります。

9月5日の落札詳細結果が出ましたら解説させていただきますので、
ぜひご覧ください。

 

9月5日更新 落札結果まとめ情報公開

※2022年9月更新

まずは弊社でまとめたデータを共有いたします。

【落札情報まとめ】※参照 容器包装リサイクルPET落札結果

■令和4年下期 容器包装リサイクルPET落札情報

簡単に解説をしておきます。
データを見れば見るほど、様々な変化がありました。

単価や数量の変化はもちろんですが、今まで落札できていなかったエリアへの進出。
2番札をあえて狙いに行ったであろう入札価格の設定。
入札前の情報戦をうまく利用した方、逆に高値で入れ過ぎてしまった会社。

様々な側面が形にでた落札結果ではないかと思います。

前回の8月29日更新の際に分析方法を変えていくということを記載しました。
独自の目線で恐縮ですが、
ヨウリ全国平均が115円に対し、市場が求める相場としては、100~105円あたりが
妥当な数字になっていくのではないでしょうか。
下期はどこの業界に再生材が流れていくかによって、価格変動の幅が見えてくるでしょう。

これから10月に向けた価格改定に動いていく方が多いと思います。
落札結果と今後の相場にズレが生じていくのかは、まだわかりませんが、
世界市況を踏まえても、直近でがバージンを超える再生材になっていくことが見込まれます。
再生材に価値を見出すという意味ではよい方向に進んでいるのかもしれません。

細かい言及はここでは避けますが、一喜一憂の単価設定ではなく、
安定的な動きを作っていきたいですね。

 

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