情報共有 悪夢再び!?PETフレーク暴落 2020.08.10 いらっしゃいませ! 8月3日に容器包装リサイクル協会のPETボトル入札の締め切りとなり、 8月末の結果によっては、2020年下期のPETボトル市況が暴落する という業界内で話題となっております。 今回の記事はPETボトルリサイクルに関わる業界すべてに該当する案件となり、 業界内では非常に興味、関心が高い内容かと思います。 今回は、入札時期の状況を下記にまとめ、個人的な市況予測をお伝えします。 それでは、いってみましょう! 原因はコロナウイルス 言わずもがな・・・といったところでしょうか。。 コロナウイルスが発生してから、PETボトル再生フレークの価格は暴落しています。 世界的な感染拡大の影響から日本だけでなく、海外にも多大な影響を与えており、 再生PETボトルを素材にした繊維製品の製造販売が停滞しています。 原料(フレーク)が流れず、製造しても倉庫に積んでおくしかない状況です。 もちろん、この現象は今回の協会入札にも影響しており、 今年度上期分の落札業者の中には引取り辞退および再入札の場面も発生した。 下期の入札では有償ではなく逆有償になるのではないか?というのが、 今回の記事の趣旨だ。 PETフレーク価格が半値以下に下落 2020年4月に石油価格がマイナスとなったのは、 記憶に新しい出来事です。 再生フレークはアパレルやスポーツ用品向けの繊維のほか 再びPETボトルに製造するBtoB、食品トレイなどがメイン。 しかし、特に行き詰まっているのは繊維業界だ。 再生PETボトルの内、約30%は繊維業界に向けられている。 ナイキやアディダスなどは再生PET から作られた、 ユニフォームなどに原料を使用しているが、製造販売共に停滞。 当然ながら需要がなければ再生PET の価格も下落する。 特にスポーツ用品に使われている再生PETフレークは異物が ほとんどない上質なレベルが求められる。 おおよその売値としては、㎏/100円前後が現在ではkg/50円程度と メーカーからは打診があるようだ。 そもそも、2020年上期(前期)に入札した際は、PETベール価格が約40円。 当初100円で売れるという市場判断のもと価格が決まっていったが、 再生PETフレークの売値が50円では、製造しても赤字になることは目に見えている。 価格が下がるだけならまだしも、繊維関連の消費が減っているため、 製造しても販売できない。フレーク工場を休止するところも多くあった。 2020年下期入札は逆有償?? BtoBは底堅い動きを見せてはいるが、 量的、品質的にすべての原料をBtoBに使用することはできない。 コカ・コーラボトラーズジャパンでは下記の記事を発表している。 https://www.ccbji.co.jp/news/detail.php?id=861 BtoB業者でも、一部繊維やシート関連に出荷することで、 全体のバランスを整えていることもある。 繊維関連が崩れている現状としては、バランスが取れなくなってきている 可能性もあり得る。 (最近ではシート関連も石油価格の影響踏まえ、流れが悪くなってきている。) 今回の入札では上期分の仕入れ価格と販売価格のマイナス分も踏まえて、 逆有償になる可能性が高いというのが、業界内の話だ。 となると、フレーク価格は30円~40円が良いところになってくるのではないか。 悪夢再来?? 先にも記載しているが、石油価格の暴落(バージン)のため、 引取りを拒否した事例があった。 過去に数回発生していたのだ。 いずれにせよ、引取りができない業者が発生し、PETボトルベールが 市場に流れず大騒ぎになった。 そもそも、入札を年に2回に分けた理由がここにあったわけだが、 世界的な不況に伴う状況により再発したのが現状。 過去の経緯では、市場に流れなかった原料について 自治体の独自処理分のルートは容リ協会で引き取ることになった。 他にも、再入札などの手段を講じて何とか、原料を市場に流すことができたが、 今回も同じように対応できるかどうかは、不透明です。 リーマンショックやそのほか不況よりも影響の大きいコロナウイルス。 特定事業者、再商品化業者、協会、それぞれの考えがある中、 どのようにして、原料を流すということだろう。 様々な意見が飛び交い、現状はなかなか判断がつかないが、 各種情報をもとに未来を想像することで、対応スピードを上げていくことが 下期市場に向けて必要な第一前提となるだろう。 次回予告 いかがでしたでしょう。 SDGsの関連を踏まえて考えると、 石油価格とリサイクル価格のトレードオフが明確に 発覚した案件とも取れますね。 石油価格に左右されない、リサイクルだからこその メリットや価値を業界だけでなく、消費者へ理解してもらえるような 活動がこの業界では必要になってくるのではないでしょうか。 石油価格(新品)が下がったからリサイクル品を使う必要がないと 思われてしまうのは、やはり業界内の人間としてはつらいですね。 さて、次回ですが5月度の輸出統計について 情報共有をさせていただこうと思います。 現状、コロナの影響が一番出たといわれている、5月の海外輸出です。 それでは、いってらっしゃい! Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it 投稿者: 青山力大情報共有PETフレーク, プリフォーム, 海外市況, 繊維, シート, SDGs, 容器包装リサイクル法, PETボトル, リサイクル これからの会社は個人の強みを活かすこと PART2 バーゼル法 基準案が発表される